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東京都下で5人暮らしパパの雑記。

「無人島に生きる十六人」一気に読める。とてもおもしろかった。青空文庫で無償で読める。

おもしろくて一気に読みました。

 

著者は須川邦彦さん。

「今から四十六年前」商船学校の実習学生として練習船に乗り組んでいたとき、教官の中川先生から聞いた、中川先生の体験談です。

「四十六年前といえば、明治三十六年、五月だった」

この須川さんが中川先生からお話を聞いたのが明治36年(1903年)。

遭難することになる船「龍睡丸」の航海の出発は明治31年(1898)12月28日でした。

 

現代とは異なる旧式の船。

遭難しそうな目にあい、流されつつも、船はハワイのホノルルにたどりつきます。

あれ・・無人島ではなかったのか。

しかし、本当の冒険はこの帰途でした。

 

日本に向けて出航後、ふたたび流され、ミッドウェー島近くの浅瀬のパール・エンド・ハミーズ礁に打ち上げられ、船は大破します。

16人は高さ数メートルの無人島に上陸し、生活を始めます。

無人島生活が長くなることを想定して、さまざまな工夫がされます。

水の確保、火の確保。

アオウミガメ(正覚坊)はうまいが、アカウミガメは臭みがあるそうです。

漫然と過ごさず、スキルアップもはかります。

 

約束事、その遵守。

リーダー、年長者の心得、若者への配慮。

 

各々が最善を尽くします。

誰も悪い人がいない。

 

おもしろくて、どんどん読み進みました。

 

この話は1941年から少年誌に連載されました。

戦前の作品ですが、少年誌向けだからでしょうか、現代でも違和感のない平易な言葉で書かれています。

生き生きとしている。

話を聞かせてくれとせがんだ商船学校の青年たちに、中川船長が話して聞かせている様子が目に浮かぶようです。

 

1880 須川邦彦さん出生

1898 中川船長の「龍睡丸」が遭難し16人が無人島で暮らす

1903 須川さんが中川船長から話を聞く(23歳)

1941 少年誌に「無人島に生きる十六人」の連載開始(※「今から46年前」と合わない)(61歳)

1943 単行本化

1949 須川邦彦さん他界(69歳)

1999 没後50年を経過し著作権消滅

 

現在「無人島に生きる十六人」はパブリックドメインで、無償で読むことができます。

 

 

www.aozora.gr.jp

 

2018年の著作権法改正で、保護期間が没後50年から没後70年に変更になりました。

1967年以前に亡くなった作家さんの作品は引き続きパブリックドメインです。

1968年以降に亡くなった作家さんの作品は70年になります。

www.aozora.gr.jp