10月31日に京王線でテロ事件が起きました。
その時の動画をふまえて、記したいと思います。
なお、これはすべて「後出し」です。
居合わせたらどうなるかはわからない。
乗り合わせた方にお見舞い申し上げます。
◆火災が発生した場合はトンネルを抜けるまで走り続ける
過去の歴史的な経験で、トンネル内で火災が発生した場合は、電車は止まらず走り続けます。
過去の事件は北陸トンネル火災事故です。
1972年、当時の規則に従い、トンネル内でただちに停車しました。火災により30人亡くなりました。
◆ドアコックは各車両についているがやたら操作してはいけない
ドアコックは空気を抜いてドアを開けられるようにするものです。
桜木町事故の経験で火災対策のひとつとして付けられています。
1951年、106人が亡くなりました。
しかし、ドアコックを操作したため、三河島事故が起きました。
衝突事故のあと、ドアコックを操作して線路に降りたため多数の人が対向列車にはねられました。
1962年、多重衝突事故で合わせて160人が亡くなりました。
◆ホームドアには隙間があり、ホームドアは線路側から開けられる
ホームドアと車両の間には人が通れるぐらいの隙間があります。
また、ホームドアは線路側・車両側から開けられるスイッチがあります。
◆窓からの避難は危ない
窓はとても高いです。今回、駅にとまりホームドアの上に乗り移るシーンがありましたが、これはむしろ今回のみのレアなものと思います。
ドアでさえ高いです。京王の車両は、外からドアを開けられるように、低い位置に取っ手があります。
◆先頭車両には避難できるドアがあります
京王の車両はトンネル区間を走るため、先頭車両にはドアがあり、端までいけばかならず避難できます。
京王の車両は最大10両ですが、1両20mなので、最大でも200mです。
ドアがなさそうにみえる8000系、5000系もドアがあります。
◆京王は過去の死亡事故の経験からホームドアを設置しています
京王では2010年8月に京王線新宿駅でホームドアがなかったために人身事故が起きました。
ふらついた人が電車待ちの列を押したため先頭の人が転落し、入線中の電車に挟まれ死亡した痛ましい事故です。(このときたまたまホームにいました)
調布、布田、国領は2012年の地下化の際に新しくなった駅ですので、ホームドアが設置されました。
◆消火器が1両に1個設置されています
鉄道車両には消火器が設置されています。
桜木町事故をふまえ、どこかに取りに行くとかではなく、1両に1個あります。
JRは隠されていて扉の中におさめられています。
京王は、ヤマ側(新宿のほうをむいて左側)、新宿側の上に取り付けてあります。
意識してないと気づきませんが、丸見えです。
「男は立ち向かえ」というツイートもみかけましたが、個人的には消火器は立ち向かうためのものとしても使えるのではないかと思いました。(個人的意見です)
◆非常通報装置があります
乗務員と話をするためのインターホンが設置されています。
これらを踏まえてです。
今回は、誰かが「走行中にドアコックを操作した」ため、意図しない場所に停車せざるをえなくなったと思われました。
ドアコックが操作されると扉が開いた状態と判断されるので転落防止のためただちに止まらざるをえなくなります。
この時点で乗務員が火災発生を知っていたかは不明です。また結果的に燃えたのは燃料だけのようにも思われます。燃え広がっていませんが、これも結果論です。
火災発生がわかっていた場合は、地上駅である柴崎駅まで走ったと思います。
またそうでない場合は、国領駅でホームドアが開くように正確に停車したと思います。
走行中に乗客がドアコックを操作するのは誤りです。
電車を止める手段としては使用しないでください。
非常通報装置で連絡して、どこに止めるかは乗務員(運転士)に任せてください。
例えば、ドアコックの操作は、くるまを運転中に、他の人がなにも言わずに突然ドアを開けるようなものです。まず運転手に伝えるのが先です。
国領駅で半端な状態で停車して扉が開けられませんでした。
そのため窓から避難という状況になりました。
停車した後は、ドアコックを操作してドアをあけ、ホームドアを線路側から開けてよかったと思います。停車中であり、対向列車がくるかもしれない線路上には降りない前提です。
窓からは頭を先に出すことになり、窓からの脱出は危険です。
車両とホームドアの間には隙間があり通れます。20mの車両に4つ扉があるのでずれていても数メートルです。
ホームドアには線路側から開けるためのボタン等の装置があります。
・走行中はドアコックの操作はしない。
・乗務員と話ができるインターホンがあります。
・停車中はドアコックを操作して扉は手で開けられます。
・ホームドアと車両の間には通れる程度の隙間があります。
・ホームドアは車両側、線路側から開けるための装置があります。
・消火器が1両に1個は必ずあります。
・車両の端までいけば先頭車には扉があり避難できます。
これはすべて「後出し」です。
居合わせたらどうなるかはわからない。
乗り合わせた方にお見舞い申し上げます。
◆京王電鉄は過去の事故,失敗を教訓にする
京王は過去の失敗を教訓にし続けていると思います。
京王稲田堤駅で小学生が転落し死亡した事故(40年以上前の出来事と思います)をうけて、今でも「駆け込み乗車は危ないですからおやめください。駆け込み乗車は危ないですからおやめください」としつこく放送を続けています。
1994年の凍結と雪で不通になった経験をうけて、ポイントを温める、着雪防止剤を塗布するなどして、逆に「雪に強い」という評判をうけています。
ホームドアは2010年の事故を教訓にしているものと思われ、今後も機会があれば設置されると思います。
今回の2021年の事故を受けて改善が行われることでしょう。