1945年8月15日の正午に終戦の詔書を昭和天皇が朗読したものが放送されました。
この玉音放送の現代語訳はもっと知られていいのではと常々思っています。
そのなかの一文で原爆についてふれています。
そればかりか、敵はあらたに残虐な爆弾を使用して次々と罪のない人々を殺傷し、惨害は計り知れない状況になっている。
そのうえ更に交戦を継続したならば、しまいにはわが民族の滅亡を招くのみならず、やがては人類の文明も破壊してしまうだろう。
(上記は下記動画にある現代語訳です)
1945年8月6日,9日に核兵器が使用されました。
玉音放送では「あらたに残虐なる爆弾」、続く「内閣告諭」では「科学史上未曾有の破壊力を有する新爆弾」と言っています。
原爆投下後、数日で、科学的に今までとは違う爆弾であることを把握していたのには驚きます。
原爆により一般市民が殺傷されること、これが人類滅亡を招きかねないことが記されています。
戦後は、戦勝国の米ソの冷戦が続き、核兵器は「抑止力」などと、核保有国の主張が正当化されました。
玉音放送は連合国の占領を受ける前の日本の主張です。
市街地へ原爆を使用したことは、戦争犯罪、虐殺です。
原爆の使用で戦争の終了が早まったなどという言説は、裏話でもなんでもなく、加害した側の主張であり、被害を受けた側が同調する必要はまったくないです。
「我が民族の滅亡を招来するのみならず延て人類の文明をも破却すべし」
「わが民族の滅亡を招くのみならず、やがては人類の文明も破壊してしまうだろう」
核兵器が使用されて1週間程度後に表明された、今にも通じる主張です。
日本は唯一の被爆国として核兵器の廃絶を主張しなければならないと思います。